Achilles Rubberized Fabric

Q & A

生地や製法についての質問と解説です

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■製品について

 
 

■生地(糸)について

 
 

■ゴムについて

 
 

■加工方法について

 
 

■その他(環境問題対策)

 

Q1

ゴム引布ってどういうものですか?

A

ゴム引布とは、一般的に布にゴムを貼り合わせたシートで、布とゴムの特性を併せ持った複合材料です。

ゴム引布は、織布または不織布等の繊維の片面または両面にカレンダーロールで圧延したゴムを貼り合わせて製造する複合シートやゴムを繊維でサンドイッチする複合シートがあります。

Q2

コーティングとトッピングでは何が違うんですか?

A

当社で言うとコーティングとは、布の表面に糊状のゴムをドクターナイフ方式等で薄く形成する製法です。

トッピングとは、カレンダーロールでゴムを圧延して繊維と貼り合わせる製法です。

Q3

PVC(塩ビ)って何ですか?

A

PVCとは「Poly Vinyl Chloride」の略で、ポリ塩化ビニルのことです。

塩化ビニルを重合して得られる汎用プラスチックの一種で、コスト、加工性に優れています。ポリエチレンやポリプロピレン、ポリスチレン、PETなどと同じプラスチックの仲間です。

Q4

PVCとゴムの違いについて教えて下さい(ゴム引布がPVCよりも優れている点は?)

A

PVCは、熱可塑性(高温で著しく軟化する性質)を持っているため、温度によって硬さや強度が大きく変化します。従って、低温では硬く、高温では柔らかくなり、100℃を超えるような温度では形状を保持できなくなります。

これに対し、一般的な架橋ゴムは熱可塑性がないため、0℃以下から100℃を超える温度範囲で硬さや強度の変化が小さく、柔軟性を保持しています。

このような差異がある為、ゴム引布はPVCターポリンでは不適な温度環境下でも充分な性能を発揮することが出来ます。

Q5

耐久性について教えて下さい

A

ゴム製品の耐久性はゴムの種類やゴム配合、更に使用環境によっても大きく変化します。

従って、使用環境に適したゴムを選択することが重要になります。

Q6

選択基準(ゴム引布を使ってみたいがどれを選べばいいのか分からない方へ)

A

用途から探すをご覧下さい。

Q7

製造期間はどのくらいかかるんですか?

A

在庫を持つ製品と受注生産の製品とありますが、在庫品で在庫があれば1週間以内に発送は可能です。

受注生産の場合は、製品アイテムによってもことなりますが、注文を受けてから2ヶ月〜3ヶ月くらい掛かります。

尚、生産状況によりますが、納期のご相談には応じます。

Q8

カタログ、HP掲載品以外の注文は可能ですか?(特注生産品・受注生産品について)

A

可能です。ただし、納期は2〜3ヶ月掛かります。お問合せ下さい。

※お問い合わせ及びカタログのご請求

Q1

ナイロン生地とエステル生地では、どのような違いがありますか?

A

ナイロンは炭素結合が直鎖状に繋がった脂肪族構造で、ポリエステルはベンゼン核により構成されています。

この化学構造の違いにより、ポリエステルはナイロンより固く、伸びも小さいです。これらの性質が織物にした場合の強度や風合いに影響し、ナイロン基布はソフトでしなやかとなり、ポリエステル基布は張りと腰のある固い風合となります。

また、ナイロン繊維は光沢があり、染色できれいな色彩を得られます。しかし、ゴム引布では加硫処理により熱が加わり変色しやすいため、一般的には加硫変色防止剤などを使用していますが、完全には抑えられません。

ゴム引布にした場合の特性としては、一般にナイロン生地は湿度が高いと吸水して伸び易い傾向にあります。また、ポリエステル生地を使用したゴム引布は伸びが小さく、剛性の高い引布が得られる傾向にあります。染色された生地をゴム引布にした場合は、ポリエステル繊維は一般的に分散染料で染色しますが、ゴムを加硫させる工程で熱によりその分散染料がゴムに移行昇華して、ゴムを着色します。染色されたナイロン繊維をゴム引布にした場合は、酸性染料を使用しているため、移行昇華は起こりません。

Q2

アミックタフタってなんですか?

A

アミックとは東レの商標で異型断面糸を使用したナイロン繊維のことです。

合成繊維の断面はほとんど円形ですが、その断面を目的に応じて△や☆など様々な形に変えて、よりしなやかな 感触ときれいな光沢、染色性と透けない織物となっています。

タフタとは、ナイロンやポリエステルなどの長繊維で織られた平織りの密な織物のことです。一般的には経緯の密度を吋間で合計して190本と210本の2種類が代表的ですが、生産量は圧倒的に190本が多い。

Q3

シレー加工、精錬加工、ワッシャー加工は、それぞれ基布にどんな加工をしたものですか?

A

シレー加工とは布地に熱と圧力による加工を施し生地の気密性を高め光沢を出す加工方法です。 生機に付着しているセリシンや不純物(ろう物質、色素、灰分、糊など)を取り除く加工を精錬と言います。

ワッシャー加工とは、自動反転洗浄機(ワッシャー)でシワをつけたり、シボを寄せて生地を加工する方法です。ワッシャー加工は、コットンやシルクなどの素材に施されることが多く、水洗いや熱処理をすることにより、故意にシワを付けます。これにより、自然で柔らかい独特の風合いが出せます。但し、洗濯などで、ワッシャー加工が伸びてしまう可能性があるので、注意が必要です。

Q4

デニール(d)とデシテックス(dtex)、番手(s)について教えて下さい

A

化合繊の糸の太さの単位で、9,000m当たりのグラム数。“d”で通常表します。例えば、“75D”の糸は9,000m当たり75gある糸という意味です。

最近ではこの呼び方を止めて、デシテックスと言う言い方に変わっています。化合繊の糸の太さの単位で、10,000m当りのグラム数。“tex”で通常表します。

例えば“84tex”の糸は10,000m当り84gある糸と言う意味です。

本来“テックス”は1,000m当りのグラム数なのですが、10分の一の意味の“デシ”をつけて8.4テックス=84デシテックスと表します。綿やウールの糸の太さの「番手」と違って大きいほど太い糸になります。番手は大きいほど細くなります。

Q5

生機(きばた)って何ですか?

A

生糸その物を織り上げた物で、生糸をそのまま織りやすい様に蝋や糊を付けて織り上げた物です。

Q6

羽二重(はぶたえ)って何ですか?

A

羽二重は表面に独特の光沢があり、風合いは絹に似た感じをもつ生地のことです。

衣料用に使用されることが多い生地です。

Q1

ゴムの種類と特徴について教えて下さい

A

※ゴムについて(PDFデータの別ページが開きます)

Q2

ハイパロンって何ですか?

A

Hypalon(ハイパロン)とは、デュポン・パフォーマンス・エラストマー社の商標で、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)のことです。デュポン社は2009年にハイパロン(CSM)の生産を中止致しました。当社では同じ組織の国産メーカーのCSMに切り替えました。 国内メーカーのCSMもデュポン社のハイパロン(CSM)と同様の物性が確保できています。

CSMの特徴と致しまして、ポリエチレンに塩素と亜硫酸ガスを反応させ塩素化するとともに、橋かけ点としてクロロスルホニル基を導入したものです。

主鎖に不飽和結合を含まないため、他のジエン系ゴムに比較して、耐候性、耐オゾン性、耐熱性などの点で優れ、また塩素を含むため、耐炎性、耐油性においても優れている特殊ゴムです。

Q3

臭い等はありますか?体に有害なことなどはありませんか?

A

臭いを感じるのは人によって異なり個人差がありますが、臭いは多少感じられることがあります。

天然ゴムの場合、その製法上煙でいぶしながら乾燥させる工程があるため、煙臭い臭いを持っています。

一般にゴムは複合物ですので、加硫剤や促進剤、可塑剤等の臭気を感じることがあります。

臭気は気化した物質でいずれ昇華して臭いを感じなくなる傾向にあります。

Q4

色相や変色について教えて下さい

A

一般的にゴムには充填剤や補強剤としてフィラーが添加されているため、不透明な色相となりあまり鮮やかな色相を得ることは難しい材料です。また、ゴムは加硫(架橋)工程を必要とし150〜180℃程度の熱処理を行うため、若干の加硫変色した色相になる傾向にあります。

ゴム材料そのものが鮮やかな色相が得られにくい他に、耐候(光)変色もあります。特にCR(クロロプレン)ゴムやNBR(ニトリルブタジエン)ゴムのゴムは耐候(光)変色しやすいゴムの種類です。

それに対し、CSM(クロロスルフォン化ポリエチレン)、EPDM(エチレンプロピレン)ゴム、ACM(アクリル)ゴム、U(ウレタン)ゴム、Q(シリコン)ゴム等は比較的鮮やかな色相が得られやすく、耐候変色も少ないゴム種です。

但し、顔料の選定によっても耐候変色の程度が異なります。

Q5

カビ等が発生することはありませんか?

A

カビの発育要素である温度、湿度、栄養、酸素等の条件があった時にカビは発育します。

ゴムに含まれる材料も栄養源となり、カビが発生する可能性があります。

防カビ剤添加によってカビの発育を抑制することが出来ます。

Q6

洗濯は可能ですか?

A

洗濯機の使用は避けて下さい。ゴムの摩耗や剥がれの原因になります。

汚れた場合は、布で拭き落とすか中性洗剤等を使用し手洗いをお奨めします。

ゴムの劣化を防ぐために、乾燥は天日干しではなく、陰干しをお奨めします。

Q7

加水分解を起こす事はありますか?

A

加水分解とは、一般的には化合物に水が作用して起こる分解反応です。

高分子材料では、特にポリウレタンで問題になりますが、最近では耐加水分解性の高いグレードが使用されています。

ゴム系の高分子材料は、殆ど加水分解しにくい材料です。

Q8

移行昇華を起こすことはありますか?

A

移行昇華はポリエステルの分散染料によって起こる現象です。

このポリエステルの染め生地を使用して、ゴム引加工を行った場合、加硫時の熱によって染料が、貼り合わせたゴムに移行して着色します。また、このゴムに移行した染料は光でさらに昇華するため、放置しておくと色相が薄くなります。また、接触する材料に移行する場合もあります。

Q9

シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムはどんなゴムですか?

A

それぞれ、汎用のゴムとは異なった性質を持っています。シリコンゴムは特に耐寒、耐熱性に優れ、また、生理安全性が高く、医療用途等にも使われています。

フッ素ゴムはゴムの中で最高の耐熱性と耐薬品性を持っています。条件によっては250℃を超える高温でも使用可能です。

ウレタンゴムは物理強度が高いのが特徴で、耐摩耗性は群を抜いています。

Q10

熱可塑性エラストマー(TPE)って何ですか?TPUと何か違いがあるんですか?

A

熱可塑性エラストマー(TPE:Thermoplastic Elastomer)はゴムとプラスチックの谷間を埋める高分子材料と言われています。その定義としては、「常温では加硫ゴム状のゴム弾性を示すが、高温では容易に可塑化され、賦形可能となる高分子材料」とされています。

そのTPEの種類としてはスチレン系(TPS)、オレフィン系(TPO)、エステル系(TPEE)、ウレタン系(TPU)塩ビ系等があります。

TPUとは熱可塑性ポリウレタンエラストマーでTPEの中では最も歴史の古い材料です。

TPUの特徴としては、

  • ゴムの様な加硫工程がなく、成形加工が容易です。
  • 幅広い硬度や弾性が得られます。
  • 自己補強性であることからカーボンの様な補強剤が要らない、従って着色が容易です。
  • リサイクルが可能で、更には機械的強度、耐摩耗性、低温特性が特に優れています。

ポリウレタン(PU)とはウレタン結合を有するポリマーの総称です。ウレタン結合はイソシアネート基と、水酸基などの活性水素を有する化合物との付加反応により生成されます。

TPEとTPUの違い

イソシアネート基は非常に反応性に富んでいるため この反応は加熱しなくても進行し、一度反応すると非常に安定な構造をとるという大きな特徴があります。 一口にポリウレタンと言ってもその外見は 発泡体、フィルム、弾性体、粉末、溶液、エマルジョンなど様々な形があり、ポリウレタンの中の熱可塑性のウレタンがTPUです。

Q11

ゴムの二次加工(縫製、糊張り、ウェルダー等)について教えて下さい

A

一般的に加硫したゴム引布製品の二次加工は、縫製もしくは糊貼りが主流です。

縫製して縫い目からの浸透を防止するためには、目止めテープもしくは目止め糊を使用します。

加硫したゴム引布製品はウェルダー加工ができません。

Q1

カレンダー工程について教えて下さい

A

一般にカレンダー工程とはカレンダーロール機を用いて行う加工です。カレンダー加工には次の加工方法があります。

  • 分出し加工(シーティング):厚味精度の高い平滑なシートを連続して作る加工
  • ダブリング加工:同種或いは異種のゴムの貼り合わせで、ピンホールのない厚味精度の高い厚いシートを作る加工
  • トッピング加工:布などにゴムシートを貼り合わせ複合体を連続して作る加工
  • フリクション加工:主として接着性向上を目的としてゴムを布にすり込む加工
  • プロファイリング加工:ロール表面に彫刻模様をつけ、その模様をゴムシート表面に連続して型付けする加工

※当社では主にトッピング加工を行います。

Q2

加硫(架橋)って何ですか?

A

加硫(かりゅう)とは、架橋反応の一種で、ゴム加工工程の中で、弾性や強度を確保するために、硫黄などの架橋剤を加えて、ポリマー間に橋掛け構造とつくる工程のことです。

Q3

熱風加硫(ピン加硫)とロート加硫、丸缶加硫にはそれぞれ違いがあるんですか?

A

熱風加硫は、蒸気等で加熱したチャンバーの中に未加硫のゴム引布を通過して加硫させる方法です。 主に薄いゴム引布の加硫に適しています。

ロート加硫とは、加熱された回転ドラムと加圧用のスチールベルトから構成され、スチールベルトの張力によって加圧を調整し、比較的厚味の厚い両面ゴム引などで、両面を鏡面に仕上げることができる加硫方法です。

当社では主にゴムボート用原反のゴム引加工時に使用しています。

一般に丸缶加硫は、釜蒸しともいわれ加圧水蒸気で加硫する方法です。 但し、当社の丸缶加硫法は独自に改善した加硫方法で、産業資材用途の製品を主に加硫しています。

Q4

ウェルダー加工って何ですか?

A

ウェルダー加工には、高周波ウェルダーと超音波ウェルダー加工とがあります。

一般的には、高周波ウェルダー加工が主流です。

高周波ウェルダー加工とは、素材を融着させる熱処理のひとつで、主に塩化ビニルやオレフィン系の素材を融着させる加工です。熱処理には、外部から加熱し熱伝導によって内部へと徐々に熱を伝えていく外部加熱と、製品自体が発熱体となり物体内部から発熱される内部加熱の2種類があります。

高周波ウェルダー加工は、内部加熱で金型の当たる部分の分子をある一定の周波数で振動させ、物と物の分子を融着させる加工方法です。

Q5

ディッピング加工について教えて下さい

A

一般に繊維コーティング加工の一種で、処理液の入った液槽に繊維を浸漬して乾燥し、繊維表面に処理液をコーティングする加工方法です。

Q6

RFL処理について教えて下さい

A

RFLとは、Resorcin Formalin Latex(レゾルシンフォルマリンラテックス)の略で、この液を含浸させた繊維はゴムに対し優れた接着強度を発揮します。

タイヤの製造にも応用されており、当社ではゴムボート用引布等に採用しています。

Q1

非フタル酸エステル 、ノンハロゲンとは具体的にはどういうことですか?

A

フタル酸エステルは、アルコールと無水フタル酸から合成される化合物の総称で、用いるアルコールの違いによって多様な種類があります。常温では無色透明の液体です。主に塩化ビニル樹脂(塩ビ)を中心としたプラスチックに柔軟性を与える可塑剤として、世界各国で広く使われています。機能性、加工性、経済性等に優れた主要な可塑剤であり、日本では全可塑剤生産量の8割以上を占めます。

ただし、このフタル酸エステル系の可塑剤の一部は、用途(食品包装材、玩具等)によっては環境ホルモン懸念物質として、使用を制限されています。また、ハロゲン類(塩素、臭素等)を含む物質を燃やすと、その燃焼温度によってはダイオキシンを発生することが知られています。

当社の業務用前掛け素材「エコストロンNP」はこのような問題に対応し、フタル酸エステル系の可塑剤を使用せず(非フタル酸エステル)、かつ、塩素、臭素等を含んでいない(ノンハロゲン)、環境に優しいゴム引布です。

Q2

環境ホルモンとは何ですか?

A

一部の化学物質は、人や野生生物の内分泌(ホルモン)系を妨害し、健康に悪影響を与える可能性があります。

そうした物質を、一般に「環境ホルモン」と呼んでいます。専門的には、「エンドクリン撹乱物質(Endocrine Disruptors:EDs)」 または「外因性内分泌撹乱物質」と呼ばれます。エンドクリン(Endocrine)とは内分泌物、ホルモンのことであり、 その内分泌系のバランスを撹乱(disruption)させる物質ということです。

環境ホルモンが地球環境や私たちの生活環境中に存在し、人や野生生物に深刻な影響を与えているのではないか、という可能性をめぐって議論されているのが「環境ホルモン問題」です。

環境ホルモン問題は内分泌系全般を対象としていますが、現状では生殖に関係するものに焦点が当てられています。

中でも女性ホルモンの「エストロゲン(Estrogen)」に似た作用をもつ合成エストロゲンあるいはエストロゲン類似物質と呼ばれる物質群が主に問題となっています。